きょうはWHO世界保健機関が定める「世界患者安全の日」。都内では医療の安全を考えるシンポジウムが開かれ、患者が予期せず死亡した場合に原因を調べる医療事故調査制度の課題などについて、専門家や患者団体の代表らが意見を交わした。医療事故調査制度はすべての医療機関に対し、患者が予期せず死亡した場合に医療事故として第三者機関への報告や調査を義務づけているが、報告するかどうかの判断は医療機関に委ねられている。これに対し、患者の視点で医療安全を考える連絡協議会の永井裕之代表は、「患者が亡くなっても手術などの合併症で予期されたものだとして報告しない医療機関は多い。判断の指針をはっきり示すべきだ」と話した。日本医療安全調査機構が行った医療機関へのアンケートでは「事故として報告すべきかを院内でどう検討するか困った」という意見が多数寄せられたということで、新たに対応の手引を作成し公表するとしている。