「NHK首都圏WEB」に掲載された統合失調症の子どもと歩んだ家族を取材したWEBリポートを紹介。取材した男性は幼いころは活発で元気だったが、なじみのない地域に引っ越した中学1年生のころ変化が起きた。転校した学校で友人に暴言を吐かれたと訴えるなどなじむことができず不登校に。以来、家族との会話もなく自室に閉じこもるようになった。およそ5年後、家族はなじみのあった首都圏に戻り、埼玉・所沢市で暮らし始めた。しかし自宅に引きこもる生活は続き、健ちゃんは時には大きな声で叫んだりするなど行動が激しくなっていった。両親は複数の医療機関に相談に行ったが、いずれも本人を連れてきてくれないと判断できないという回答。母親は毎日のように説得を試みましたがついに通院はかなわなかったという。そうした中、男性が自宅に引きこもるようになってから20年以上がたち、その暮らしに変化が訪れた。2015年に所沢市保健センターで始まった精神障害者アウトリーチ支援事業というものがきっかけだった。医師や看護師などの専門職がチームを組んで精神医療が必要な人の自宅を訪問するという事業で、こうした自治体が主導して専門職がチームを組んで訪問するという取り組みは全国的には珍しいということで専門家に聞くと「今後、精神科の訪問診療が広まっていくことも重要だ」と話していた。