アラブ首長国連邦・ドバイで開かれているCOP28は8日から閣僚級の会合が始まり、グローバル・ストックテイクの交渉では対策の強化に向けて化石燃料の削減を求める文言を同意文書にどう盛り込むかなどが焦点となる。会場では気候変動対策の最新技術などを紹介するセミナーなどが開かれており、日本のパビリオンでは6日に国内の自動車業界によるセミナーが開かれた。発表されたのは牛のふんをエネルギーに活用する技術で、近江牛の発祥の地とされる竜王町では約4000頭の牛が飼育されており、牛のふんからバイオガスを発生させ工場の燃料として使おうと実験が進められている。町ではガス抽出後の残ったカスも堆肥として活用し、堆肥で育てた農作物を牛のエサにして再び牛糞を使う、地域でバイオマス資源が循環する仕組みを目指している。天然ガスで走るCNG車を世界最多の3億頭の牛がいるインドに150万台販売している日本の自動車メーカーでは、牛のふんから発生させたバイオガスを車の燃料とする取り組みを進めている。自動車メーカーが出資する施設では、1日約300頭分の牛のふんを集めバイオガスを発生させ年間80万キロワットを発電し、住宅で使い二酸化炭素の削減効果もある。