きのう開かれたフジ・メディアHDの取締役会で長年経営に携わってきたフジテレビ取締役相談役・日枝久氏が退任することが決まった。日枝氏は産経新聞グループや文化放送グループも含めたフジサンケイグループの代表についても辞任に意向を示している。1980年に42歳で編成局長に就任、82年から12年間視聴率3冠を達成した。88年からは社長、2001年から会長に就任、2003年にフジサンケイグループの代表、2005年、ライブドアによるニッポン放送買収騒動ではライブドアと対立、買収を阻止した。政界とのつながりを深めてきた。2017年に会長退任後は取締役相談役として残り40年以上にわたり人事・経営に大きな影響を与えた。日枝体制の反省点を記者から問われた清水社長は「日枝がというよりも我々自身がフジテレビが80年代の躍進の歴史に成功体験となってその後イノベーションのジレンマが起こってしまった。既存の放送事業がうまくいっていたので壊して配信事業に全面的に行くことはやりにくい」などとしたフジ・メディア・HDとフジテレビは日枝氏の他取締役の数を大幅に削減、平均年齢も引き下げ若返りをはかり、社外取締役を過半数にし女性比率は3割以上にするとしている。フジ・メディア・HDの株式を約1%保有するイギリス投資ファンドは「フジ・メディア・HDに関わる全員にとってポジティブなニュース、非常に決断力のある行動」などとした。