メジャーの契約を目指す日本人の戦い方にも変化が起きていた。三河吉平選手は大学時代の登板はわずか3試合でプロに届かなかず、会社員の道を選んだ。ところが今年6月にカブスから突如オファーが舞い込んだ。球団幹部は、5球分のデータを見れば投手の球質やメジャーで通用するか想像できると話した。去年12月から施設で三河を指導してきたトレーナーの北川氏は、160キロというシンプルな数値目標を設定し、今の年齢でアマチュアの実績がない場合は評価するポイントは球速しかないと話した。球速と相関関係が高いとされる跳躍力は、施設に通う日本のプロ野球選手の平均値を上回っていた。今年3月に最速は155キロを記録し、北川氏が投球データや筋力の数値をメジャー関係者に送り続けた結果、カブスの目に留まった。またアーカンソー大学の宮内選手はデータに基づく客観的な育成方針に惹かれ、アメリカへの挑戦を決めた。部員は全学年で約40人で、毎年10人ほどがメジャーのドラフトで指名される。野球統計の専門家は、データ革命の欠点のひとつは全選手に同じ練習をさせ画一的な成功の方法を当てはめること、データ分析に偏ると試合は数学のセミナーになると指摘した。
