日銀の植田総裁が見守る中、東京の日本銀行を出発した新紙幣は各地に運ばれていった。午前10時、埼玉の銀行に立てられたのぼり。店内のATMには行列が。全員、新紙幣を求める人たちで、初めて触る新紙幣に皆、一様に笑顔。今日から流通が始まった新紙幣は、千円札は北里柴三郎、五千円札は津田梅子に、長らく一万円の顔を務めた福沢諭吉は渋沢栄一に40年ぶりにバトンタッチする。その渋沢栄一のふるさと、埼玉県深谷市の銀行では、両替開始1分前を迎えていた。その手に握りしめた旧札10万円を慎重に両替。三重県亀山市では、この日を特別な思いで迎えた人がいた。新一万円、渋沢栄一の孫の孫に当たる御年73歳の岩佐光。少し辛口な岩佐は実はキャッシュレス派。今回、新紙幣が導入された狙いには、偽造防止の強化と使いやすさの向上がある。今日から流通が始まる新紙幣は、実際に街で使えるのか。こちらの自動販売機では新紙幣は使えないようだ。一方、都内のつけ麺店では新紙幣を券売機に入れると、無事、読み取ってくれた。実はこちらの店は昨日、駆け込みで券売機の更新作業を終えたという。ただ、機械の更新には15万円から40万円ほど、入れ替えには70万から200万円ほどかかる(エルコムの場合)という。負担がある一方、新紙幣の導入はキャッシュレス決済を加速させることにもつながる。JR東海バスは今日から一部のバスを除き、運賃箱の運用を取りやめた。新紙幣の流通が始まったがこれまでの紙幣も使える。詐欺行為も見られることから、政府は十分に注意してほしいと呼びかけている。
住所: 東京都中央区日本橋本石町2-1-1
URL: http://www.boj.or.jp/
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