小川治兵衛のコンセプトは庭の中心に池を作り、その周りを歩いて移ろいゆく四季を楽しむ池泉回遊式庭園。得に心を砕いたのは池の北側にある船着石からの眺め。治兵衛は石を配置し荒磯に見立てた。高さ2.4mの雪見灯籠や背後の築山によって一服の絵画のような情景を作り上げた。さらに枯滝があるスペースは水を用いずに滝の流れを感じさせる枯山水の手法。治兵衛はもうひと工夫行っていた。枯滝から池を挟んだ向こう側の茂みに小川が作ったのは大滝。武蔵野台地の高低差をいかした落差8mの滝はこの音が枯滝にうっすら届くという。2006年には旧古河邸庭園は国の名勝に指定されたがその理由が伝統的な手法と近代的な技術の融和により和洋の見事な調和を実現している。秀逸で代表的な事例であり現存する近代の庭園の中でも極めて良好に保存されているとした。その和洋の見事な調和が2階にある。ふすまを外すとドアが。
住所: 東京都北区西ヶ原1