- 出演者
- -
今回は旧古河庭園を特集。
- キーワード
- 旧古河庭園
オープニング映像。
今回は旧古河庭園を特集。山崎怜奈は歴女だというが今回訪れる場所は前回訪れた浜離宮恩賜庭園から9キロ先の場所。旧古河庭園は敷地面積は3万平方メートルで今から100年以上前の1917年に個人の邸宅である洋館が、その2年後に庭園全体が完成した。
旧古河庭園をは都立庭園として一般公開されていて都内屈指の薔薇の名所として知られている。8種野薔薇が咲き誇り、春と秋にバラフェスティバルを開催している。美しいバラ園の背後に建つ洋館が旧古河邸。建坪は240坪でレンガ造の二階建て。
旧古河邸の外壁は真鶴産の新小松石を積み上げた堅牢な仕上げで、光を浴びてわずかに紫色を帯びている。切妻の屋根は粘板岩を薄く板状二加工したスレート葺きで、スコットランドの山荘風という実に美しい洋館。かつては個人の邸宅だった。施主は古河虎之助。銅山開発事業による巨大な富を築いた古河財閥の投手。設計者はイギリス人建築家のジョサイア・コンドル。1877年に西洋化を推し進めるために明治政府に招かれて来日。鹿鳴館や上野博物館などを設計する傍ら、東京大学工学部の前身の工部大学校で西洋建築学を教えていた。東京駅の辰野金吾や迎賓館の片山東熊など数多くの建築家を育成し、日本近代建築の父と呼ばれた。旧古河邸の玄関扉にはモダンなステンドグラスがあり古河家の家紋の鬼蔦がデザインされている。
旧古河邸ではティータイムも楽しめるという。国内外の客人をもてなす迎賓館の役割も担っていた。そのために部屋には男性用待合室があり、旧古河邸では条件付きで貸切できるために婚礼写真で大人気。山崎が得に気になったのは床にある四角い大理石。
- キーワード
- 旧古河邸
旧古河邸の一階の男性用の待合室の床の大理石について事務長の志村さんは紳士がここでビリヤードをしていて大理石はその名残。大理石の板の下に煉瓦が積んであって床がたわまないようになっている。撞球室ビリヤードルームの先にはもう一つの部屋があり、サンルームもある。
- キーワード
- 旧古河邸
旧古河邸には女性用待合室もある。応接室は薔薇の間と呼ばれ至る所に薔薇がデザインされている。次に大食堂へ。目を引くのはマントルピースの装飾。職人が一枚の木から削り出した薔薇がリアリティで天井には漆喰による彫刻が施されている。桃やいちじくなどが精密に施されている。建築史家の米山さんは職人がコンドル会というお抱えの職人集団を持っていたために腕がよく経験豊富なために密度の濃いインテリアが出来上がったという。旧古河邸ではケーキと紅茶が楽しめるという。
旧古河邸のバラ園の先には日本庭園が広がっていた。旧古河邸庭園を作ったのは小川治兵衛。近代日本庭園の先駆者。代表作の一つは山縣有朋の別荘の無鄰菴という庭。繊細な水の流れと緻密に計算した石の配置の妙。治兵衛は水と石の魔術師と呼ばれた。
小川治兵衛のコンセプトは庭の中心に池を作り、その周りを歩いて移ろいゆく四季を楽しむ池泉回遊式庭園。得に心を砕いたのは池の北側にある船着石からの眺め。治兵衛は石を配置し荒磯に見立てた。高さ2.4mの雪見灯籠や背後の築山によって一服の絵画のような情景を作り上げた。さらに枯滝があるスペースは水を用いずに滝の流れを感じさせる枯山水の手法。治兵衛はもうひと工夫行っていた。枯滝から池を挟んだ向こう側の茂みに小川が作ったのは大滝。武蔵野台地の高低差をいかした落差8mの滝はこの音が枯滝にうっすら届くという。2006年には旧古河邸庭園は国の名勝に指定されたがその理由が伝統的な手法と近代的な技術の融和により和洋の見事な調和を実現している。秀逸で代表的な事例であり現存する近代の庭園の中でも極めて良好に保存されているとした。その和洋の見事な調和が2階にある。ふすまを外すとドアが。
旧古河邸の設計者のジョサイア・コンドルは風変わりなイギリス人だった。22歳で来日し、日本の西洋化に貢献する一方で日本文化に傾倒していった。日本の伝統建築や舞台芸術に興味を示し日本庭園の専門書を出版している。また日本画家の河鍋暁斎に弟子入し画号をもらい素晴らしい作品を残した。妻のくめは花柳流の舞踏家で日本に永住しその文化に深い愛情を注いだ。旧古河邸はコンドルが64歳のときの作品。
旧古河邸の2階にはふすまのある部屋が。その先には和室がありコンドルは日本の伝統に則った書院造りを設えた。旧古河邸の一階は主に客人をもてなす空間だが応接室や大食堂などすべてが洋室。2階は古河虎之助とその家族の生活空間で、コンドルは住む人の暮らしに寄り添って和室を中心に設計した。またコンドルの工夫にはふすまの先にはドアがあり、扉をあけると2階のホールへ続く。ふすまと扉の2つの敷居が設けられこれこそがコンドルの仕掛け。洋と和がそれぞれ独立し共存するためにその2つのドアの間には僅かな床の間がある。
- キーワード
- ジョサイア・コンドル古河虎之助旧古河邸
旧古河邸の仏間にはもっとも格式高い折上格天井を設え、奥には仏壇が置かれていた。目を見張るのは火灯窓をモチーフにした火灯口がある。日本の文化を知り尽くしたジョサイア・コンドルがたどり着いた住まいの形。
- キーワード
- ジョサイア・コンドル旧古河邸
「新美の巨人たち」の次回予告。
「スポーツ リアライブ」の番組宣伝。