台の上に置かれているのは、人の手の形をした最新ロボット。「麻痺などで指の運動が困難になってしまった患者さんの指を動かそうとする時に生じる電気的な信号を読み取って、ロボットでアシストするという機器になります」と話すのは、医療機器の開発などをしている「FrontAct」の万治淳史さん(43歳)。これは、筋肉に生じるわずかな電気信号を感知して、リアルタイムで指先の動きをサポートするというリハビリ用ロボットで、現在、多くの病院で麻痺した指の治療法の一つとして導入されている。脳卒中により左手に麻痺の症状があるという男性はロボットでリハビリを続けてわずか2週間、現在では機器を外した状態で物を掴むところまで回復することができた。万治さんは「指が動かないくらいの力しか入れてなくてもロボットのアシストで指を動かしてあげることで、脳と指の連動というものを回復させる」と話す。理学療法士として16年間病院に勤務していた万治さんは“多くの人の日常を取り戻したい”と、現在はリハビリ用ロボットの開発をしながら副業として病院でのサポートも行っている。万治さんは「先端的な治療機器、あるいは治療技術の開発を通して、少しでも多くの患者さまに回復を実現させるといったお手伝いができればと思っている」と話す。万治さんの“アスヨク”ソング・星野源「アイデア」。