月光の響という作品は、月の光が木漏れ日となってチェロをひくこびとを照らしている。モノクロは影の美しさでカラーは光を通すロ命が輝き始める。木の葉の一枚一枚が、月の光によって色を変化していく。色彩の音楽を奏でるように。その面白さにのめり込んでいったという。その影絵の作り方を紹介。片刃のカミソリを愛用し、素手で紙を切っていくがカッターナイフよりも指先の動きを伝えやすいという。下絵を描いた台紙は、やわからな厚紙。色付けには、裏にカラーフィルターを貼る。元々は舞台照明などに使うプラスチック製で一つの色でも様々な濃淡のものが揃えてある。カラーフィルターを直接削って薄くし、理想の色合いに仕上げていくことも。シルエットを切り抜いた背景に切り出したキャラクターを貼り付ける。長い歳月をかけて培った独自の影絵作りの中で藤城作品に欠かせないのはこびとのキャラクター。