阪神・淡路大震災からあすで31年となる。去年1月に出版された絵本「ぼくの名前はトラ~震災を駆け抜けたノラ猫~」(出版:みらいパブリッシング)は実在した猫をモデルに描かれた。阪神・淡路大震災後、飼い主と別れて行き場をなくした1匹の猫がたどり着いた公園で厳しい生活を乗り越え、新たな飼い主を見つける物語。絵本は神戸市内にある公園に住み着いた実在の猫をモデルに作られた。絵本を制作した宮寺良平さんは震災で家をなくし、避難所生活を余儀なくされた。生まれ育った神戸・灘区では近所の人も命を落とし、大きなショックを抱え続けていた。宮寺さんは震災から20年以上が経ったある日、1匹の猫と出会った。近所の人に聞いたところ、この猫は震災後からこの公園にいると知ったという。猫は公園近くの1軒の家にたどり着き、3年前に死ぬまで家族の一員として穏やかに過ごしたという。過酷な日々を生き抜いた末、最期には幸せを見つけた猫の姿を伝えたいと、宮寺さんは猫を「トラ」と名付け、想像を交えながら絵本を描き上げた。この絵本は子どもたちに震災を伝えるものとして読まれ始めている。宮寺さんは「命を大事にしようと一生懸命生きたのがまた誰かの励ましになったり、そんなものが絵本から伝わったらうれしいなと思います」と話した。宮寺さんは普段は高校の数学の先生で絵本を作るのは初めてで、挿絵は絵が得意な教え子が担当してくれたという。
