BMXレース界のミライモンスター・ 澤田茉奈さんの週末の練習に密着。やってきたのは秩父滝沢サイクルパークBMXコース。この日は8時間みっちりコースで自転車を漕ぎ続けた。そもそもBMXレースは全長約400mの起伏のあるコースで、1周の着順を争う競技。スタートゲートから最大8人が一斉に走り出し、下り坂で加速すると大きめのジャンプセクションがある。これを超えると最初のカーブ。その後は起伏の連続とカーブを繰り返しゴールするのが一般的な流れ。スタートとカーブは勢いをつけるために漕ぐが、起伏の連続は体重移動で加速させるためほとんど漕がない。そんな茉奈さんの武器は「スタートで必ず1番に出てるところ」と先輩ミラモンの朝比奈さんは言う。そのスタートダッシュを生み出すのが強靭な脚力。その脚力の秘密は放課後参加している陸上部の練習にあった。コースに出られない平日は100m選手として周4日みっちり練習している。
世代世界一に輝いた茉奈さんだが、将来金メダルを目指す上で海外選手との体格差が不安だという。体格差から漕ぎで遅れた場合の対処法として今行っているのが、前輪を浮かせ後輪のみでコブを越える”ロール”。ロール強化のために近所の空き地で独自の練習も行っている。練習後家に帰ると、道着に着替えて合気道の練習場へ。精神面を鍛えるため、週に1度合気道の稽古にも参加しているという。お母さんは「海外に行って何かあった時に、自分の身は自分で護れるようにしてほしい」という想いで勧めたと話す。両親について茉奈さんは「お母さんは毎日色々な面でサポートしてもらってる。お父さんは自転車の部品を買ってくれたりメンテナンスをしてくれたりと、感謝しかない」とコメント。また「両親が『熱心に教えてて良かったな』と思えるようにレースで結果を残したい」と想いを語った。
第40回全日本自転車競技選手権BMXレーシングがやってきた。茉奈さんは13～14歳のクラスにエントリー。3本走り着順に応じたポイントで優勝を争う。今回茉奈さんと同じクラスで男子のトップタイムは32.973秒。両親も見守る中1本目は女子ではダントツトップ。しかし32.389秒と目標には2.416秒届かなかった。残り2本で果たして男子のトップタイムを超えることはできるのか。