札幌刑務所で当事者研究が始まった。刑務官や専門家が受刑者の悩みや生きづらさを一緒に考える新たな取り組みだ。60代のA受刑者の課題はグループホームで職員とうまくコミュニケーションが取れなかったこと。解決するために全員で知恵を出し合う。研究チームの向谷地さんは1984年に精神障害のある人たちが暮らす場として浦河べてるの家を設立。当事者研究を始めたきっかけは閉鎖病棟で薬に頼る精神医療のあり方に疑問を抱いたことだった。当事者研究の目的は病気の治療ではなく、一緒に生きていく方法を考えること。A受刑者の当事者研究は6回目を迎えて変化が。これまで問いかけに答えるだけだった受刑者が初めて自ら相談した。研究チームは出所後も当事者研究の継続を約束した。向谷地さんは罪を繰り返さぬよう刑務所を出た後も支え続ける仕組みが必要だと訴える。8年の刑期を終えて出所した重田さんが人生をやり直そうと思ったのは、塀の中で長原社長とつながったから。長原社長は覚醒剤使用で有罪判決を受けたことがあり、社会復帰の難しさをよく知っている。
住所: 北海道札幌市東区東苗穂2条1−5−1
