札幌市に住む小榑冏さんの家は高さ5m程の上に建っている。最近気になっているのが、擁壁の複数の箇所でみられるコンクリートの膨らみ。擁壁の中にある土や水の圧力によって経年劣化したブロックが押し出されているとみられるが、多額の費用がかかることなどから修理が出来ていない。札幌市では1972年に開催された札幌五輪の頃、高まる住宅需要を受けて山を切り開いて宅地が造成されてきた。この時、斜面の土をせき止めるために使われてたのが擁壁だった。小榑さんがこの土地を購入したのも1970年代で、当時擁壁の安全性については気にかけていなかったという。売買契約に擁壁の記述はなかった。札幌市に相談するも個人の所有物なので助成などの補助が出来ないと言われ、所有者が100万円程度かけて応急処置を行った。1950年に出来た建築基準法では、高さ2メートル以上の擁壁を作る際には自治体などへの申請が義務付けられている。この団地の造成にあたって事業者は札幌市に申請して許可を得ていた。引き渡し後の擁壁の管理責任は民法上、所有者が担うことになる。
