きょう政府は次世代電池、ペロブスカイト太陽電池について2040年に20ギガワットを目指すとする初めての目標を取りまとめた。日本で開発されたペロブスカイトは今、世界的に開発競争が激しくなっており夢と現実が両方見える技術。ペロブスカイトは非常に薄くて軽く曲げられるというのが特徴なので、これまで太陽電池が置けなかったさまざまな場所への設置が期待されている。住宅のベランダのガラスにペロブスカイトの太陽電池を埋め込んだ発電するガラスの開発も進められている。また、ペロブスカイトは非常に弱い光でも効率よく発電できるという特徴があるため屋内の照明などの光でも発電する。そのため、リモコンなどの電池で動くようなものにつけることや、災害時に大きなパネルでバッテリーの充電ステーションのような使い方も期待できる。開発を進める産業技術総合研究所の村上拓郎さんによると、そもそも20ギガワットは初夏の昼間、晴れていて条件がいい時に出せる最大瞬間の電力のことでやはり夜間は発電しないし雨の日などはどうしても落ちてしまう。電力として見込めるのは最大発電量の1.5割程度ということでこれがおよそ600万世帯に当たるという。また、実現にあたっての壁となるのが耐久性とコスト。ペロブスカイトは劣化が早いという弱点があるため長時間発電し続ける耐久性が重要な課題となる。更にこれまでの太陽電池パネルと比べると現状では割高になるというコストも課題。政府は目標の中で2040年に従来のパネルとほぼ同じ水準で下げるということを目指している。