放射線治療に抗がん剤治療。苦しい副作用に耐えながらも、少しでも体調が良ければ体育館に足を運んだ藤井。2022年12月29日に体調が悪化し起き上がることもできなくなった藤井だが、ストレッチャーで体育館を訪れた。美弥さんは夫の姿を見て「彼にとって生きる力はバレーボールだったんだなって思うくらい、本当にバレーボールが大好きだった」と振り返る。わずか2週間前までボールを持ち上げるのがやっとだった男が体育館で練習を始めていた。2023年3月10日に藤井は美弥さんに見守られ静かに息を引き取った。藤井が残したバレーに対する情熱はいまも仲間たちの心に息づいている。