300億年に1秒しかずれない光格子時計、その研究を行う香取秀俊教授。そんな香取教授が面白い実験をしたことがあり、その場所は日本で一番高い建物である東京スカイツリー。高さ450mの展望台と地上0mの2か所で時間を測り、その時間のずれを検証した。ここに関わってくるのはかのアインシュタインが提唱した一般相対性理論。標高が高く重力が小さい場所では時間の進みが早いという説である。実験の結果、地上より450mにある展望台のほうが1日で10億分の4秒早く進んでいることがわかった。精度の高い計測ができる光格子時計によって相対性理論を裏付けることができた。さらに香取教授は今、離れた2つの場所の高低差を測る実験をしている。光格子時計を理化学研究所と岩手県の水沢天文台に設置。より正確に時間が分かれば細かな地殻変動を調べられるようになるという。例えば地震などの予知や見た目にはわからない火山の噴火の予兆にも使えるかもしれないとのこと。しかしそこには大きな壁が立ちはだかっており、国際基準への採用となっていた。現在、国際基準として採用されているのは1955年にイギリスで開発されたセシウム原子時計でこの1秒が世界基準となっている。国際度量衡総会が一大イベントであり、メートルなどの国際単位を定めている。2030年には「秒」の見直しも予定されている。香取教授は光格子時計による時間の計測が国際基準になれば世界進出への大きな一歩になると考えている。
住所: 東京都墨田区押上1-1-13
URL: http://www.tokyo-skytree.jp/
URL: http://www.tokyo-skytree.jp/