東京・北区にある旧古河庭園は回遊式の庭で、数々の名庭園を生み出した伝説の庭師の7代目小川治兵衛が手掛けた。その小川治兵衛が国際文化会館の日本庭園も造園していた。戦前、ここは三菱財閥4代目の岩崎小彌太の大邸宅だったが昭和20年に東京大空襲で建物が消失し庭だけが残っていた。戦後復興を果たしつつあった日本。国際交流の舞台となった建物は日本人に勇気を与え励ましとなるものであってほしいと前川國男、坂倉準三、吉村順三の3人は強い思いを共有していた。それが最もわかる場所はレストランの屋根の上。モダンな建物に屋上庭園が。土地の起伏を利用して庭から動線をつなげ建物との一体感を生み出している。完成してまもなく師でもあったル・コルビュジエが国際文化会館を訪れた。弟子たちが手掛けた想像を超えるモダニズム建築に目を見張ったという。屋上にも見どころが。