今週の東京株式市場は日銀の追加の利上げや植田総裁が会見でさらなる利上げの可能性に言及したことをきっかけに不安定な動きとなり、5日には日経平均株価が過去最大の下落に、その翌日には過去最大の上昇となるなどかつてない乱高下に見舞われた。きのうも大幅な値下がりで取り引きが始まったが、日銀の内田副総裁が講演で「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べたことをきっかけに一気に1000円を超える上昇に転じたほか、外国為替市場でも円が売られ、円安方向に進んだ。日銀幹部の発言で、株価や円相場の乱高下が続く状況に、ひとまず歯止めがかかった形となった。一方、きょうは日銀が追加の利上げを決めた先月の金融政策決定会合の主な意見が公表される。波乱のきっかけとなった会合でもあり政策委員の具体的な発言内容に市場は注目している。こうした当局の公表資料への反応も含め、市場が落ち着きを取り戻せるかが焦点となる。