薬剤師不足が深刻なあさひ総合病院では10年以上薬剤師の新規採用ができておらず、募集してもなかなか来ないという状況が続いているという。常勤の薬剤師を6人程度確保したいと考えているが、現状は4人だという。そのため定年を迎えた2人に定年後も臨時職員として残ってもらったが、人繰りは厳しい状況だ。江戸時代から多くの人に親しまれてきた富山の薬売り。今でも人口あたりの医薬品生産金額・製造所数などは全国一で”くすりの富山”として知られている。しかしその足元では薬剤師不足が深刻だ。富山県が公的病院や製薬企業に行ったアンケート調査では薬剤師を採用できた割合は半分程度に留まっている。薬剤師不足の要因の一つはは富山県から大都市圏への人の流れだ。富山大学では薬学科の4人に3人が県外での就職を選んでいる。もう一つの要因は薬剤師志望の地元の若者の減少だ。全国の薬学部に在籍する県内出身者は人口1000人あたりで全国最下位だ。富山大学の松谷学部長は薬剤師の地域偏在問題は深刻ところで、都市部に集中しがちで富山県や北陸地方で根付いて活躍していく絶対数がなかなか増えてこないと言う。
こうした事態を打開しようと、県や大学、製薬企業などが新たな対策に取り掛かっている。それが富山大学の地域枠の創設だ。県内の若者に対象を絞り、来年度から毎年10人を受け入れる。地域枠の学生には県が6年間で奨学金700万円余を貸与し、卒業し県内で9年間薬剤師として勤務すると、全額が返還免除される。説明会には受験者や保護者等およそ80人が参加し、中には高校1、2年生の姿も見られた。更に県は就職活動を控える学生を対象とした研修にも力を入れ、この夏病院で短期インターンシップを実施した。富山県出身で東京の大学に通う横川さんは、このインターンシップで服薬指導の模擬体験するなどした。横川さんは薬剤師の活躍する姿を間近で見て、自分の将来像が明確になってきたという。薬剤師の不足には近年給料が比較的高いとされるドラッグストアの新規出店が富山県でも相次いでいて、少ない人材を奪い合っているということも要因の一つとみられている。
こうした事態を打開しようと、県や大学、製薬企業などが新たな対策に取り掛かっている。それが富山大学の地域枠の創設だ。県内の若者に対象を絞り、来年度から毎年10人を受け入れる。地域枠の学生には県が6年間で奨学金700万円余を貸与し、卒業し県内で9年間薬剤師として勤務すると、全額が返還免除される。説明会には受験者や保護者等およそ80人が参加し、中には高校1、2年生の姿も見られた。更に県は就職活動を控える学生を対象とした研修にも力を入れ、この夏病院で短期インターンシップを実施した。富山県出身で東京の大学に通う横川さんは、このインターンシップで服薬指導の模擬体験するなどした。横川さんは薬剤師の活躍する姿を間近で見て、自分の将来像が明確になってきたという。薬剤師の不足には近年給料が比較的高いとされるドラッグストアの新規出店が富山県でも相次いでいて、少ない人材を奪い合っているということも要因の一つとみられている。