今年、パリパラリンピックが盛り上がった一方で、一般の障害のある人たちがスポーツを楽しむ環境整備にはまだまだ課題がある。笹川スポーツ財団が3年前に行った調査では、障害者専用のスポーツ施設は全国で150箇所と、必要だと想定される数のわずか10分の1しかないことが分かった。ただ新しく施設を建設していくにはお金も時間もかかる。そこで目をつけたのが人材育成。既存のスポーツ施設の職員にノウハウを学んでもらい、障害のある人がスポーツを楽しめる施設を増やそうという取り組みが始まっている。先月、東京都江戸川区の体育館で行われたプログラム。講師は都の障害者総合スポーツセンターの指導員。生徒は体育館の職員。重度の障害がある人への指導方法を学んだ。この体育館のプールにはスロープが設置されバリアフリーに配慮されているが、これまで重度の障害がある人を受け入れたことはない。教室には区内に住む16歳の青年が参加した。全身の筋力が低下する進行性の難病を患っていて、学校以外で運動する機会が限られていた。泳ぎ終えた後に体を温める温水プールも用意。障害の影響で体温調整が難しい人への配慮も指導のポイント。終了後の反省会では体調管理についてもアドバイスした。取り組みを行う財団では、こうした人材育成を江戸川区以外にも広げていきたいと考えている。笹川スポーツ財団・小淵和也研究員は東京以外の自治体でも環境がよくなればいいと話した。
住所: 東京都北区十条台1-2-2
URL: http://www.tokyo-mscd.com/
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