観自在寺は1番札所からもっとも離れた場所にあるが毎日多くの外国人が訪れる。コロナ禍で一時はほぼいなくなった外国人のお遍路さんだが3年前から急増し今では全体の3割近くを占めている。欧米・アジアから結願を目指す人や霊場の一部を訪れる観光客もいる。課題となっているのが新型コロナの影響や経営者の高齢化による宿泊施設の減少。愛南町の寺近くの5軒ほどあった遍路宿はいまでは1軒のみとなった。野宿を余儀なくされる人もいる。徳茂直子さんは約1年半前から副業として無人の民泊を運営している。約400万円かけて父親から譲り受けた空き家をリノベーションした宿をオープンした。本業を持っていても人手をかけずに空き家を活用する方法を検討したという。東京のIT企業が開発したデジタル技術を使ったカギのシステムを取り入れた。システムでは予約サイトを通じ宿泊客ごとに変わる暗証番号を伝え自分で鍵を開けてもらうことで省力化できる。もともとは24時間営業のスポーツジムの入退室で使用されていたこのシステム。集客には欧米などの利用客が多い民泊の仲介サイトを利用し客とのやり取りはサイトの翻訳機能で行っている。徳茂さんの宿はオープン以降満室が続いている。先月2軒目の宿泊施設をオープンした。築50年の空き家を改修した。複数のグループが宿泊できるよう4部屋を設けた。