東南アジアを外遊中の石破総理大臣は2か国目の訪問先であるインドネシアに到着した。マレーシアのアンワル首相との会談では海洋進出を強める中国の動きを念頭に安全保障分野が議論され両首脳は東シナ海や南シナ海の情勢などをめぐり緊密に意思疎通を図ることで一致した。ASEANとの関係構築を急ぎたい石破総理。背景に今月20日に政権復帰する米国のトランプ次期大統領への対応。トランプ氏はASEANへの関心が薄いとされている。さらに、一方の東南アジア側もインドネシアが今月、中国やロシアなどで構成する新興国のグループBRICSに加盟したほか、マレーシアやタイも加盟の意向で中国の影響力拡大が懸念されている。米国とASEANの関係が希薄になりかねない状況で両者の橋渡し役を務めたい石破総理としては今回の外遊で一定の考えをASEAN側に伝えた。ただ、この先、自国優先のトランプ氏にASEANへの関心を持たせるかは見通せないところがあり、石破総理が国際政治で日本の存在感を示せるかその試金石となりそう。