昨夜の東京・渋谷駅周辺では事故やトラブルを防ごうとまさに厳戒態勢が取られた。ハロウィーンを巡って渋谷区が恐れていたのは大勢の若者や外国人が渋谷駅周辺に集まることによる雑踏事故や飲酒に絡むトラブル。6年前には軽トラックが横転させられる事件も起きている。ことしもハロウィーン目的で街に来ないでと呼びかけた渋谷区はシンボルのハチ公像をシートで隠し路上での飲酒を年間を通じて禁止するよう条例を改正した。放置すれば深刻なトラブルを招きかねないとして区が対策に特に力を入れた路上飲酒について、昨夜からけさにかけてはパトロールの人数をふだんより大幅に増やし飲酒していた人から酒の缶を回収していた。渋谷区によると路上飲酒をした人はおよそ200人と去年より100人近く減ったという。その一方、渋谷駅周辺は仮装をした若者や外国人などで混雑、歩道橋に多くの人が詰めかけて滞留する場面も見られた。区によると渋谷駅周辺にはピーク時の昨夜10時には1万8000人が訪れ去年よりおよそ20%増えたという。一方、新宿歌舞伎町でも同じ時間、徐々に行き交う人の数が増えてきた。新宿区もトラブルを懸念してことしは歌舞伎町周辺で路上飲酒を禁止。また去年、多くの人が集まった通称トー横と呼ばれるエリアを柵で囲って立ち入りを禁止したが、周辺には仮装した人たちが、中でも目立ったのは外国人の姿。中には渋谷を避けて新宿に来たという人もいた。厳戒のハロウィーンから一夜明けて渋谷区の長谷部健区長は外国人への情報発信について再検討する考えを示し、今後のハロウィーン対策について「区だけでは難しいのでオーバーツーリズム対策として東京都や国と共同で対応していく必要がある」と話している。