太平洋戦争末期、阿久根市の沖合に不時着し、約81年間海底に沈んだままとなっていた、旧日本海軍の戦闘機「紫電改」を、戦争遺産として後世に残そうと、機体の引き上げ作業が行われた。引き上げられたのは、昭和20年4月21日、出水基地を攻撃に来た米軍を、迎撃するために出撃した、林喜重大尉が乗っていた戦闘機「紫電改」。きょうは潮が満ちる午前10時半ごろから、海底に沈んだ「紫電改」を引き揚げる作業が始まった。海岸では引き揚げに向けて準備を進めてきた、NPO法人「北薩の戦争遺産を後世に遺す会」のメンバーなど、約300人が海岸に集まり、作業の様子を見守った。林喜重大尉は当時25歳で飛行隊長を務めていて、米軍と激しく交戦した際に被弾し、海に不時着して戦死した。機体は阿久根市の沖合300m、水深約3mの海底に沈んだままとなっていた。機体は保存のために、専用の水槽で1年ほどかけて、塩分を抜く処理が行われる。NPO法人は、戦争の実態や平和の尊さを伝える遺産として、将来的には展示を目指している。
