栃木県の南端から埼玉・茨城・群馬に広がる渡良瀬遊水地。山から遠く離れたこの観光スポットに最近異変が起きている。夜に道を進むとイノシシがいた。10年前まではほとんど見かけなかったイノシシが住み着き急増し、今では1000頭以上になっていた。生い茂る草の奥深くにねぐらを作り、夜になると出てきて地域住民の生活が脅かされていた。農業を営む小堀貞雄さんは収入源だったサツマイモをイノシシに掘り起こされ、わずか数日で食べ尽くされていた。渡良瀬遊水地の周辺は清らかな水を使った米作りも盛んである。米農家の石川義夫さんは150万円をかけて防護柵を設置したが、それでもイノシシの侵入を防げないという。イノシシは体についたダニなどを取るため、転がり回って稲をなぎ倒す「ぬた打ち」を行っていた。たとえ収穫できたとしても大きな問題があり、イノシシの臭いが残って普通なら一等・二等だが等外になってしまうという。栃木市役所にはイノシシ被害の相談が連日寄せられていた。野生動物による農作物被害は全国で年間164億円であり、一方でハンターの数はかつての半分以下・20万人ほどとなっていた。60歳以上がおよそ6割を占め、高齢化も進んでいる。栃木市役所からの依頼でイノシシの駆除を請け負っている関口淨さんが所属する猟友会では去年1年間で30頭を捕獲していた。自治体からは1頭につき1万6000円の報奨金が出るが、人手は足りていない。動物が引き起こす獣害は農作物被害に加え人への危害や交通事故・感染症を広めるおそれなどその脅威が私達の身近に迫ってきている。
住所: 栃木県栃木市入舟町7-26
URL: http://www.city.tochigi.lg.jp/
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