昨日行われた将棋の王座戦第3局。劣勢だった藤井聡太七冠が終盤に逆転して2勝目をあげた。序盤、藤井七冠にとっては思わぬ展開になった。雁木という金銀の形をミックスさせたようなあまりない指し方を永瀬王座がぶつけてきたという。藤井七冠が得意の角換わりは序盤に角を交換する戦い方。互いに角を手持ちにしているため、角の打ち込みに気を配りながら駒組みを進める必要があり、先を読む技術が求められる。しかし、永瀬王座は雁木という金と銀を階段状に配置し、耐久力のある作戦をとった。その結果序盤は五分の戦い。中盤積極的に攻勢に出たのは永瀬王座。58手目には成金で王手をかけられる。これに対し、藤井七冠が指した飛車での王手が波乱を起こした。持ち時間がなくなり、1分将棋に突入した永瀬王座が対処を間違える痛恨のミス。これが逆転の一手となり、藤井七冠が勝利した。これで史上初の八冠まであと1勝に迫った。勝率8割近い藤井七冠だが、今回の王座戦では厳しい戦いが続いている。その理由について日本将棋連盟の理事は2人が互いに手の内を知り尽くしているためと指摘。第4局は永瀬王座が有利とされる先手番。第4局は来月11日に行われる。