パリ五輪・柔道男子60キロ級の永山竜樹は、準々決勝の試合終盤、絞め技をかけられ、膠着状態となり、審判が待てをかけたが、相手選手は絞め技を続け、永山竜樹は失神したと判断され、一本負けした。相手選手は、歓声で待ての声が聞こえなかったと主張している。日本の鈴木桂治監督は、国際柔道連盟に対し、待てがかかっても絞め続けることが許されるのかと抗議した。相手選手が謝罪し、選手間では和解が成立したという。専門家は、待ての後に技を解かなかった選手をすぐに止めに入らないことが誤判定に繋がったとしている。柔道男子73キロ級の橋本壮市は、準々決勝で、指導累積3回により反則負けとなった。東京五輪後のルール変更で、一度組手を切った場合は、すぐに自分から組み直さなければ、消極的とみなされ指導が入る。専門家は、橋本壮市に対する審判の判断は、国際ルールから見て妥当だとしている。柔道のルールは、当初、旗判定をわかりやすくするために、一本や技ありのほかに、有効や効果が採用されていたが、小さな技で勝ちに行く選手が増えたことで、有効や効果は廃止された。現在は、より積極的に技を仕掛けるように、指導の基準を厳格化している。専門家は、ルール変更はたびたび行われているが、柔道の基本である「つかんで投げる」に立ち戻れば対応できるとしている。