石川・橋立町に残る赤い瓦は富の象徴だった。江戸時代末期、茅葺き屋根が普通だった時代に、この村では贅沢品だった赤い瓦が惜しげもなく使われ日本一の富豪の村と言われた。この歴史ある風景に惚れ込んだのが東京移住しカフェを開いた平塚覚さんと妻の久美さん。カフェは笏谷石の土台の上に建っている。橋立町は笏谷石が日本一ある町と言われていて、古い家は基本的に笏谷石の上に建っている。笏谷石は福井県で採掘される美しい石で城の石垣や瓦として使われてきた高級品。橋立町の人たちは北前船で海産物を運び巨万の富を築いた。1回の航海で今のお金にして1億円も稼いだという。平塚さん夫婦がカフェを営む建物は北前船の船主・久保彦兵衛の分家の屋敷だった。なのでカフェの名前は「カフェ彦兵衛」。橋立町の歴史を今に伝えるカフェとなっている。彦兵衛の名物「橋立ラーメン」を紹介した。橋立町の町並みは文化財として保護されている。そのため改装するのが大変だった。そこで協力してくれたのが大工の出村剛さんだった。覚さんは幼い頃から歴史好きで大学で歴史を学び社会かの先生を目指した。しかし叶うことはなく都内のタイヤメーカーに就職した。28歳の時に久美さんと知り合い、39歳の時に自動車教習所の講師に転職。コロナで仕事が自宅待機になり、このまま定年を迎えて幸せになれるのかなと思い、全国各地を回った。そして橋立町で見つけたのが売りに出ていたこの建物だった。2022年8月、橋立町に移住。この時、町には飲食店がなかったのでこの町をもっと知ってもらいたいと「カフェ彦兵衛」をオープンさせた。さらに店の前に町のウォーキングマップを作って設置した。今ではお客さんに町の案内も行っている。最近、2人はカフェの近くで宿までオープンさせた。
