キングサーモンは養殖が難しく米国西海岸では絶滅の危機に瀕しているが、今回実験でキングサーモンを作り出すことに東京海洋大学が成功した。キングサーモンは一度、産卵をすると死んでしまう魚である。吉崎教授らが着目したのはニジマスである。実験では卵や精子を作ることができないようにしたニジマスにキングサーモンの生殖幹細胞を移植。すると成熟したニジマスは卵や精子を生産。キングサーモンの細胞を持つニジマス同士で人工授精させたところ、生まれてきたのはキングサーモンと完全に同じ個体だった。吉崎教授は「期待していることが本当に起きた。DNAレベルで完全にキングサーモン」と語った。キングサーモンは成熟するのに3年〜7年かかるが、ニジマスは1年〜2年で成熟する。キングサーモンの細胞を持ったニジマスは1度の産卵で死ぬことはなく、その後何度もキングサーモンを産んだ。吉村教授は「1回産卵のサケの養殖が容易になる、絶滅しそうな魚たちを守る技術を構築したい。
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