依頼品は鶏龍山の壺。400~600年前に朝鮮半島で作られたとネットでは書かれていたものだという。骨董屋で買ったものだという。1300年代末から約150年の間で朝鮮半島で極めて独創的で奔放な焼き物が作られた。これを粉青沙器と呼び、鶏龍山はその1つ。それまで朝鮮半島では高麗青磁が主流だったが、高麗王朝の衰退とともに技術も低下。朝鮮王朝が成立すると、国力が上がり、白磁が誕生。その技術が普及したのは1500年代半ばだった。過渡期に作られたのが粉青沙器。鶏龍山は鉄絵の具で絵付けした技法で鶏龍山麓の釜で主に焼かれたことが由来。図柄は魚や鳥などの生物や植物が多い。粉青沙器は白磁の普及とともに姿を消したが、室町時代後期に日本に伝わると、鶏龍山は珍重された。依頼品は幅25cm、高さ18cm。牡丹が描かれ、側面には釉薬が流れた跡もみられる。