日常に潜む謎を解き明かしていくミステリー短編集「朝からブルマンの男」。5編の短編集で、表題の「朝からブルマンの男」を紹介。主人公の冬木志亜のアルバト先の喫茶店には奇妙な常連客が。大半のコーヒーが650円の喫茶店で、1杯2000円のブルーマウンテンを週に3回も頼む客。しかも嫌そうな顔をして半分近く飲み残していくという。志亜は自身も所属する桜戸大学のミステリ研究会の会長・葉山緑里にブルマンを飲む男について相談。そして推理を巡らせていると、そのブルマンの男がミステリ研究会を訪ねてきた。ブルマンの男の本名を青井英介といい、同じ大学の大学院生だった。志亜が喫茶店の店員だと気づきサークル室を訪ねてきたという。青井は喫茶店でブルマンばかりを注文するワケを告白。3か月前、青井のアパートに奇妙な手紙が届いた。匿名の人物からの謎のバイトの誘い。仕事の詳細は、毎週火・水・木に五千円が入った郵便を受け取る、午前9時半に喫茶店に行きブルーマウンテンを頼む、誰とも喋らず店に長居しないというもの。青井は悪くない話だと思い引き受けた。しかしある時おかしなことに気づく。ガラの悪い男が奇妙な数字を書いていた。さらにその男はいつも青井の直後に来店。青井は、自分でも知らない内に暗号を届けるメッセンジャーにされてるのではと仮説を立てた。いわゆる闇バイトに加担しているのではと不安になったという。会長の緑里は真相解明に挑む。水見はがねさんは、コーヒーを飲んでいるだけに見えるのに裏がありそうな気がするという、その裏とは何なのか?というトリックの部分を一番最初に思いついてそこから話を広げていったという。「謎解きって楽しいよね」というのをストレートに伝える作品を集めたつもりなので、登場人物と一緒に謎解きしている気分で読んでもらえたらいいという。真相を探るため志亜と緑里は謎の暗号を書く柄の悪い男を調べることに。青井は決死の覚悟で男を尾行。緑里は男が喫茶店に残した暗号を回収し真相にたどり着く。