ランサムウェアは身代金を要求するサイバー攻撃で、企業が払わなければ、犯行グループは奪略した機密情報をネット上に公開しかねない。ただ、金銭を払っても元に戻らなかったという報告もある。今年に入ってから医療関係の企業、団体が被害を受け、個人情報の流出が相次ぐ。ランサムウェアをめぐってはロシア語のキーボードを接続していたコンピューターだけは被害を免れたり、ロシア政府の支持を表明するグループもある。匿名性の高い技術の悪用、地政学的事情などの組み合わせでランサムウェアの撲滅を困難にしている。対策として企業は情報セキュリティを強化し、二段階認証を必ず導入すること。不十分な会社には業界団体、監督官庁が指導するなど、対策の底上げを図る必要がある。また、被害に遭っても金を払わないこと。今年2月、日本を含む10か国の合同捜査によって、ランサムウェアの開発グループのメンバーらが逮捕されている。コンピューターを利用する企業が犯罪を繰り返させないための防御を徹底し、犯罪集団を儲けさせないという態度が国際的企業恫喝の撲滅へとつながっている。