徳島市津田町にある公園。公園を囲んでいるのは高さ1.6メートルのフェンス。ここは障害のある子とその家族が無料で貸し切ることができる私設の公園。この公園を作った新田昌広さん。2年ほど前から自分の土地に作った公園を貸し始めた。障害のある子どもも通うデイサービスを県内5カ所で運営している新田さん。公園を作るきっかけは、デイサービスを利用する子どもの母親の声だった。新型コロナウイルスが猛威を振るっていた4年ほど前、とある公園で障害のある息子がよだれを垂らして遊んでいたとき、別の保護者から心ない言葉をかけられたという。公園のことが気になったまま1年ほど経った頃、実家近くの空き地が売りに出されていることを知り、土地を購入。遊具も買い、芝生を植えるなどして2年ほど前に完成させた。新田さんがSNSで公園をPRすると、利用者は次第に増えていった。今では10組ほどが利用する月もある。北海道教育大学の細谷一博教授は「新田さんの公園は共生社会への理解が進んでいないがゆえにできあがった公園。共生社会への理解が進む一つのきっかけになるのでは」などとしている。