ハンコ職人の伊藤睦子さんを取材。オーダーに応えて作る世界に一つだけの印鑑。すべて木の枝で作られている。さらに海外旅行客からの人気も高まっている。伊藤さんがこの道に進んだのは61年前。18歳の時ハンコ職人だった父親に弟子入りした。1980年代安い既製品が普及し始めると高価な手掘りのハンコは売れなくなった。この時思いついたのが木の枝を使った小枝印鑑。使用する木は約20種類。職人世界は男社会でデパートのイベントでは伊藤さんの陳列台だけ準備されていないなど嫌がらせを受けることも。風穴を開けるために江戸女職人の会を結成。女職人展を企画し、女職人の地位向上に貢献してきた。新型コロナで海外旅行客からの収入がなくなり経営に大打撃。しかしピンチをチャンスに変えた。東京の上空を飛んだブルーインパルスのスモークを見て新しい書体「翔印体」を生み出した。様々な壁を乗り越えてきた伊藤さん。生涯現役を誓っている。