7月6日、天皇皇后両陛下は国賓としてモンゴルを訪問された。皇太子時代にモンゴルへお出でになっている天皇陛下。皇后さまは初めての訪問。ホテルに到着した両陛下は現地の人たちの温かい歓迎に応えられた。ウランバートルはモンゴルの政治経済の中心で人口の半分が暮らしている。
ご到着翌日、天皇陛下は市内にある「チンギス・ハーン国立博物館」へお出でになった。この日、皇后様は体調を整えるため、ホテルで休まれ、天皇陛下お一人での訪問となった。古代の遊牧民国家が起源のモンゴル。博物館では、13世紀にユーラシア大陸の大部分を征服したモンゴル帝国の歴史と文化を紹介している。かつて広大な領土を誇ったモンゴル帝国の展示エリアで、天皇陛下は「移動しながら領土を広げていく中で、水はどのように確保していたのですか」と質問されていた。
この日の午後、中心部からおよそ25キロ離れたガチョールト水源の貯水施設を見学された。ここには川の地下水を汲み上げる複数の井戸が整備され、人工増加で水不足が続くウランバートル市に水を供給している。特に移動式のテントが立ち並ぶ市郊外のゲル地区では、ほとんどの住居で現在も水道が整備されておらず、水の安定供給が課題となっている。長年、水をめぐる問題を研究されてきた天皇陛下。地下水だけでなく地上水を使う計画はありますか、と専門的な質問をされていた。
ご訪問3日目、色鮮やかな民族衣装を着た人々が集まる中、天皇皇后両陛下は政府庁舎前のスフバートル広場で歓迎式典に臨まれた。水色のスーツをお召しの皇后さまは、現地の小学生から笑顔で花束を受け取られた。即位後、初めてモンゴルを訪問された天皇陛下は、騎乗隊の栄誉礼を受けられた。式典には、大相撲で活躍したモンゴル出身の朝青龍、白鵬、日馬富士の元横綱3人も出席し、両陛下は一人ひとりとにこやかに言葉を交わされた。式典中はあいにくの雨となったが、乾燥した気候のモンゴルでは雨は縁起の良いことと考えられている。式典後、両陛下は応接用のゲルで大統領夫妻と懇談された。
この日の午後、両陛下はウランバートル市北部にある日本人死亡者慰霊碑へおいでになった。終戦直前、旧ソ連の同盟国として日本に宣戦布告をしたモンゴル。今でもモンゴル国内には戦勝記念のモニュメントが残されている。戦後、旧ソ連の捕虜となった日本人およそ1万4千人がモンゴルで抑留され、厳しい寒さの中、都市の建設に従事させられた。日本人抑留者が建てた施設には、国立オペラ・バレエ劇場や歓迎式典が行われた政府庁舎をはじめ、現在も首都中枢で使用されている。しかし、寒さや栄養失調で抑留者のうちおよそ1700人がモンゴルの地で亡くなった。戦後80年の節目となる今年、降りしきる雨の中、天皇皇后両陛下は慰霊碑に向かい黙祷を捧げた。雨が止んだことを伝えられると、慰霊碑の前に戻り深々と拝礼された。
この日の夜、大統領夫妻主催の晩餐会が開かれ、天皇皇后両陛下が出席された。元横綱の白鳳さんなどおよそ100人が出席した晩餐会。天皇陛下はモンゴル語を交えお言葉を述べられた。両陛下は大統領夫妻と笑顔で乾杯された。このあと天皇陛下はご自身のビオラを手にステージへ。モンゴルの交響楽団と共演された。演奏されたのは馬頭琴のための作品と日本の浜辺の歌の2曲。
7月14日、上皇さまは心臓の持病の治療のため入院された。今年5月、症状のない無症候性心筋虚血と診断され、治療を続けてこられた上皇さま。しかし症状の改善がみられず新たな薬を追加することになり、14日から入院されていた。18日には退院され現在は上皇后さまとお住まいで静かに過ごしている。
ご到着翌日、天皇陛下は市内にある「チンギス・ハーン国立博物館」へお出でになった。この日、皇后様は体調を整えるため、ホテルで休まれ、天皇陛下お一人での訪問となった。古代の遊牧民国家が起源のモンゴル。博物館では、13世紀にユーラシア大陸の大部分を征服したモンゴル帝国の歴史と文化を紹介している。かつて広大な領土を誇ったモンゴル帝国の展示エリアで、天皇陛下は「移動しながら領土を広げていく中で、水はどのように確保していたのですか」と質問されていた。
この日の午後、中心部からおよそ25キロ離れたガチョールト水源の貯水施設を見学された。ここには川の地下水を汲み上げる複数の井戸が整備され、人工増加で水不足が続くウランバートル市に水を供給している。特に移動式のテントが立ち並ぶ市郊外のゲル地区では、ほとんどの住居で現在も水道が整備されておらず、水の安定供給が課題となっている。長年、水をめぐる問題を研究されてきた天皇陛下。地下水だけでなく地上水を使う計画はありますか、と専門的な質問をされていた。
ご訪問3日目、色鮮やかな民族衣装を着た人々が集まる中、天皇皇后両陛下は政府庁舎前のスフバートル広場で歓迎式典に臨まれた。水色のスーツをお召しの皇后さまは、現地の小学生から笑顔で花束を受け取られた。即位後、初めてモンゴルを訪問された天皇陛下は、騎乗隊の栄誉礼を受けられた。式典には、大相撲で活躍したモンゴル出身の朝青龍、白鵬、日馬富士の元横綱3人も出席し、両陛下は一人ひとりとにこやかに言葉を交わされた。式典中はあいにくの雨となったが、乾燥した気候のモンゴルでは雨は縁起の良いことと考えられている。式典後、両陛下は応接用のゲルで大統領夫妻と懇談された。
この日の午後、両陛下はウランバートル市北部にある日本人死亡者慰霊碑へおいでになった。終戦直前、旧ソ連の同盟国として日本に宣戦布告をしたモンゴル。今でもモンゴル国内には戦勝記念のモニュメントが残されている。戦後、旧ソ連の捕虜となった日本人およそ1万4千人がモンゴルで抑留され、厳しい寒さの中、都市の建設に従事させられた。日本人抑留者が建てた施設には、国立オペラ・バレエ劇場や歓迎式典が行われた政府庁舎をはじめ、現在も首都中枢で使用されている。しかし、寒さや栄養失調で抑留者のうちおよそ1700人がモンゴルの地で亡くなった。戦後80年の節目となる今年、降りしきる雨の中、天皇皇后両陛下は慰霊碑に向かい黙祷を捧げた。雨が止んだことを伝えられると、慰霊碑の前に戻り深々と拝礼された。
この日の夜、大統領夫妻主催の晩餐会が開かれ、天皇皇后両陛下が出席された。元横綱の白鳳さんなどおよそ100人が出席した晩餐会。天皇陛下はモンゴル語を交えお言葉を述べられた。両陛下は大統領夫妻と笑顔で乾杯された。このあと天皇陛下はご自身のビオラを手にステージへ。モンゴルの交響楽団と共演された。演奏されたのは馬頭琴のための作品と日本の浜辺の歌の2曲。
7月14日、上皇さまは心臓の持病の治療のため入院された。今年5月、症状のない無症候性心筋虚血と診断され、治療を続けてこられた上皇さま。しかし症状の改善がみられず新たな薬を追加することになり、14日から入院されていた。18日には退院され現在は上皇后さまとお住まいで静かに過ごしている。