人口約5万の沖縄・石垣市は八重山諸島の中核的存在。この医療圏で唯一、総合的な診療ができるのが「沖縄県立八重山病院」だ。しかし、医師不足などの理由から、これまで眼科・ICUが相次いで休止になってきた。さらにこの春、脳神経外科の常勤医師が不在になるため、その診療体制の縮小を余儀なくされた。周辺の11の離島からも脳神経の急病患者を受け入れてきた八重山病院は今月以降、手術が必要な患者を沖縄本島の病院に搬送する方針だ。ただ、急患搬送は周辺の離島から石垣島までは海上保安庁、石垣島から本島までは自衛隊と、担う機関が違うため離島から本島への直接搬送はできない。八重山病院で手術が行えなくなったことで市内の診療所に通う患者にも影響が生じている。三叉神経痛で診療所に通う男性は手術を勧められているが、経済的負担が大幅に増えるため踏み切れずにいるという。診療所の下地隆院長は、手術をためらう患者が増えていることに危機感を強めている。
