首都圏に船の墓場と呼ばれている場所がある。船舶の法律に詳しい高松大海事代理士と近づいてみる。高松大さんは、行政的にいう放置艇が多く残存するエリアだと説明した。ハンドル部分には撤去するようにとの警告が貼られている。東京都と千葉県の境を流れる旧江戸川の一部に無数の船が放置されていた。また不法に作られたとみられる桟橋も。航空写真で遡ると1979年にはなかった船が80年代に入ると停められはじめ、90年代、2000年代には数多く確認できるようになった。こうした無法地帯ともいえる場所は他にもあり、千葉県西部を流れる真間川でも長期間にわたり船の墓場と化している。景観はもちろん、船が放置されることでリスクがあるという。おととし愛知県刈谷市の川の中洲で起きた火災では、男性が枯れ草を焼いていたところ川に停めてあった船に燃え移ったといい、これらの中には不法に放置されていた船もあったという。またリスクはそれだけでなく、災害時に流されて行政や国の船の運航の妨げになったり環境汚染にもなる。一方川崎市の工業地帯に放置され続けてきた遊覧船は昨日から行政代執行による撤去作業が始まった。放置から約8年が経過し船が傾いてきたことで市が作業に踏み切ったが、なぜより小さな船が撤去されないのか。そこには行政が抱える切実な問題があった。
