歌手の大至伸行さん(56)は幼い頃から歌が好きだったが、相撲好きの父親の影響で15歳の時に相撲部屋に入門した。入門から10年後には幕内に昇進し、最高位は前頭三枚目だった。そんな中29歳の時にメニエール病を発症し、激しいめまいで日常生活にも支障をきたすようになった。そんな時に音楽を聴いていると心が元気になったといい、この経験から引退後には自分の好きな歌で人々を勇気づけたいと決意した。ただ歌手になった当初こそテレビや舞台の仕事があったものの長続きせず、アルバイトを掛け持ちしながら家族を養っていった。そうした時には現役時代の付け人や音楽プロデューサーらに支えられ、次第に歌のレベルも高くなっていった。オリジナル曲も誕生し、コンサートなどで闘病中の人も励ますほどになった。