ランチタイムの和食レストランで、客のお目当てはサックサクのとんかつ定食。とんかつとくれば、一緒に頬ばりたいのが炊きたての白いごはん。おいしい白米を好きなだけ食べられるのが売りだが、お店の悩みの種は一向に安くならないコメの価格。スーパーなどに並ぶ5kgの袋も平均で約4000円と家計を直撃している。こうした中、政府が切り札として打ち出したのが備蓄米の放出。倉庫で保存していたコメ21万トンを入札で市場に出すことによって、高止まりする価格を下げるのが狙い。今後、価格はどうなるのか。落札価格が60kgで2万4000円を下回れば、スーパーでも4月以降、5kg当たり数百円程度安くなる可能性があると話す。一方で、米不足を防ぐためには政策の見直しが必要だと指摘する。食生活の多様化などで消費量が減ってきたコメ。国はコメが余らないようにギリギリに生産量を抑えてきた。しかし2023年は猛暑の影響もあり、40万t以上需要が生産を上回る事態になった。農水省は新たな農業政策の基本計画を改定し、海外に輸出するコメを現在の8倍に増やす目標を掲げる。コメが不足したときに国内用に回せる余力を確保する狙い。日本の食卓の主役であるコメの価格は本当に下がるのか。