物価上昇が続き、多くの人が今後の生活に不安を抱える中、国民年金の納付期間を5年延長する案が出ている。自営業の人などが加入する国民年金。現在、保険料は20歳から60歳までの40年間の納付が義務付けられている。厚生労働省は、これを65歳までの45年間に5年延長した場合の試算を検証する方針を固めた。専門家の試算では、今年度の国民年金保険料は月1万6980円で、これを5年間支払った場合、負担額は、単純計算で約100万円増える。5年延長し、多く支払う分、年金の受取額は1年あたり、約10万円増加する可能性がある。砂町銀座商店街の自営業者からは、「物価は上がるが、収入は増えず、60歳までだからと思って頑張っていた」「国は頼れない、自分のことは自分で守るしかない」などといった声が聞かれた。5年延長して支払った場合、65歳から受給するとしたら、75歳まで生きれば、元はとれるという。検証結果は、今夏に公表される見通しだ。