2016年の熊本地震から今年で10年となる。南阿蘇村は雄大な自然に囲まれた人口約1万の村。熊本地震で南阿蘇村は震度6強を観測。大規模な土砂崩れが起き、インフラも寸断された。災害関連死を含め31人が犠牲となった。土砂災害の現場は震災遺構として残され、見学するための展望所も造られた。南阿蘇村には記憶の回廊の拠点施設がある。かつての東海大学阿蘇キャンパス内に建てられた「熊本地震震災ミュージアム KIOKU」。テーマごとに展示室が設けられ、地震の激しさを物語る品々が展示されている。写真や記録映像では熊本地震からの復興の歩みを知ることができる。防災を“自分ごと”として考えもらう工夫も施されている。阿蘇キャンパス旧1号館は活断層の真上にあったため、地震の激しい衝撃を受けた。その時の姿のまま展示されている。地表地震断層も直接見ることができる。熊本地震の教訓を後世に伝承する重要な役割を担っているガイドの1人、藤本誠司さんは東海大学阿蘇キャンパスで理科の教員を育てる講師を務めていた。熊本地震によって学生3人が犠牲となり、その中には藤本さんが教えていた学生もいた。藤本さんは4年前、ガイドの募集を知り迷わず手を挙げた。自作の実験装置を使いながら地震のメカニズムや命を守る備えの大切さを伝えている。地震を体験していない世代も増えてきており、これからが大事だと感じている。
