東京・渋谷区のマンション建設予定地。白い壁の奥、シートで覆われているが、盛土が高く積まれている。今、この盛土を巡り、工事の再開か停止か、行政と区民の間で、法廷を巻き込んだ争いとなっている。渋谷区役所と区民の間で、大きな溝が広がっている。地元住民の訴えにより、東京地裁は、この盛土を危険とみなし、工事停止命令を出したが、渋谷区は即時抗告し、舞台は東京高裁へと移された。ことの発端は、おととし10月、最初は元々あった建物の解体工事から始まった。それから、半年以上が経過し、住民が目にしたのは、解体跡地に大きくそびえ立った盛土だった。盛土は住宅の2~3階ほどの高さになっていて、高低差は約10m。当初はブルーシートもなく、むき出しの状態だったという。地元住民に広がった盛土に対する不安の声。そこで鍵を握るのが、2021年、静岡県熱海市で発生した土砂災害をきっかけに制定された盛土規制法。盛土などにより、被害が出る可能性のある区域が「規制区域」として指定され、そこで盛土などを行う場合には、知事等の許可が必要となっている。去年6~7月の時点で、事業者側は、盛土規制法の申請はしていない。これは、盛土規制法に違反していないのか。番組が渋谷区役所に問い合わせると、「その時点での工事は解体工事で、盛土規制法の対象ではないと認識している」と答えた。高く積まれた土は、他の場所から持ってきたものではなく、解体工事の過程で出た土であるため、盛土ではないと主張。不満が募る住民らは、去年10月、工事停止の命令を求め、渋谷区を提訴。そして今年3月、東京地裁は、法律に基づいた盛土であると判断。工事の停止を求める判断を下した。しかし、渋谷区は、工事を停止し、放置すること自体が安全面で望ましくないと主張し、東京高裁に即時抗告した。確かに、盛土を放置したままにすれば、大雨などの災害が発生した際、崩れてしまうなど、何が起きるかわからない。そこで渋谷区は、強固な擁壁を築造するとしている。
