益子焼はふだん使いができる焼き物として有名だが、もう一つ、美術品としての顔も持っている。益子焼の伝統を受け継ぎながら、新たな作品作りに取り組む職人の姿を紹介する。栃木県益子町は、益子焼の産地として知られ、多くの観光客が訪れる。窯元の数は150を超え、それぞれが個性的な焼き物を作っている。益子焼を一躍有名にしたのが、人間国宝、濱田庄司。日用品として作られてきた益子焼を、芸術の域に高めた陶芸家。ことしは、濱田庄司生誕130年を迎える節目で、益子陶芸美術館では、企画展が開催されている。濱田庄司は、京都などで活動した後、36歳のときに益子に拠点を構えた。当時の工房を、孫の濱田友緒さんが受け継いでいる。友緒さんは受け継いだ伝統を海外で披露する取り組みを行っている。現地で土をこね、焼き上げるところまで見せていく。大学で彫刻を学んだ友緒さん。培われた造形感覚を生かし、焼き物の新たな形作りに挑戦している。モダンな作風に仕上げ、濱田庄司が愛した益子焼の伝統を受け継ぎ、進化させようとしている。益子町では、濱田庄司や濱田友緒さんの作品を扱うビンテージマーケット2024が、11月15日から17日まで開催されるという。