脱水機を開発して機械メーカーとして歩みだした石垣。1960年代の日本は高度経済成長期にあって飛躍的に経済規模が拡大する一方で、公害問題が深刻化していた。固液分離の技術が向上などの排水処理に活用されて、石垣の事業は拡大していった。70年代には海外進出も果たした。その頃、オイルショックで世の中は不景気に。民間企業の設備投資が減少したため、石垣は水インフラ関連に重心を移して新たな脱水機を投入。しかし、下水汚泥は効果的な脱水が難しく市場競争に出遅れた。さらに、不況の煽りを受けて経営が悪化。下水汚泥処理用スクリュープレスの開発が打開の一歩だった。圧力を制御する独自の手法で新製品を開発して経営状況も回復。現在もこの機種のトップシェアを維持している。近年、一部の下水汚泥処理では微生物が脱水に必要な繊維も分解してしまうという課題を抱えている。繊維がない汚泥は脱水効率が低下する。石垣の開発した新技術・プラチナシステムは繊維の少ない汚泥の脱水効率を向上させる。微生物で分解する前の汚泥から繊維分を採取し、微生物が分解した汚泥に繊維分を戻して脱水する。