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「砂川玄志郎さん」 のテレビ露出情報

今回は、最近ものすごい勢いで進化中の「人工冬眠」についてお送りする。日本がその技術開発をリードしている。人工冬眠の技術が確立されれば、人生や社会のあり方が一変すると考えられている。
2005年、都内で小児科医・砂川玄志郎さんは、冬眠するキツネザルについて書かれた論文を読み、人間と同じ霊長類のサルが冬眠できるなら人間にも応用できるはずだと考えた。砂川さんは大学院に入り直し、冬眠の研究を始めたが、そこにはいくつかの壁があった。リスやコウモリなど冬眠動物の入手や飼育が困難であること、冬眠中の様子を調べられるのは1年に1度であることなど。そこで砂川さんはマウスに注目した。マウスは冬眠しないが、絶食など条件がそろうと低代謝になり冬眠と似た状態になる。しかしそれを調べても冬眠の謎の解明には至らなかった。頭を抱える砂川さんのもとに、筑波大学教授の櫻井武さんから連絡が入った。それは、マウスの視床下部にある特定の神経群を薬剤で興奮させたらマウスが動かなくなったというもの。そのときのマウスの体温は通常の37度前後から20度台に低下していたのだという。そして、それから数日経つと、体温がもとに戻り再び元気に動き出したという。砂川さんと櫻井教授は共同研究をスタートさせた。詳しく調べてみると、マウスは体温だけではなく代謝も落ちていて、本当の冬眠に近い状態であることが判明した。2020年、2人は「冬眠しないマウスを冬眠に似た状態に誘導することに成功した」との論文を発表した。興奮させたマウスの神経群は「Qニューロン」と命名した。この技術は人間にも応用できるのではないかと期待が高まっている。2022年、理研と京大の研究チームが心臓血管手術時の効果について発表した。それは、心臓血管手術の際、冬眠させたマウスは手術の過程での臓器への負担が軽減したというもの。また、冬眠は低体温&低代謝であることが通常だが、最近は通常体温での冬眠の可能性も見えてきている。通常体温のまま冬眠できれば、手術のために冬眠技術を使用した際、腎臓への負担を軽減できる可能性がある。また、宇宙開発への応用もある。2022年、欧州宇宙機関は、冬眠が宇宙旅行のコストを節約し、宇宙船を3分の1に縮小する可能性があると発表した。宇宙飛行士の冬眠は大幅なコストダウンにつながる。しかし、人間への応用には、安全性、実効性などまだいくつかの課題がある。砂川さんは、2040年までに数時間~数日の短時間冬眠が実現し、2060年には年単位の長期間冬眠が実現し、2080年には人工冬眠が当たり前の世の中になっている、と予想している。

他にもこんな番組で紹介されています…

2024年5月11日放送 9:45 - 10:00 NHK総合
漫画家イエナガの複雑社会を超定義(漫画家イエナガの複雑社会を超定義)
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