国産生糸の約7割を生産する工場が群馬にある。製糸業が衰退する中、伝統の製糸技術を後世に残そうと奮闘する人たちを取材。碓氷製糸で7年前に始まった工場見学のツアー。参加者のお目当ては自動繰糸機。質の高い生糸を大量に生産する上で欠かせない機械。工場長の今村さんは伝統産業を守っていきたい、伝えていきたいなどと話す。今村さんの仕事は毎朝6時半にスタート。繭の選定から始まる。ほぐれやすい繭は弾力で分かるという。20歳で製糸業を始めた今村さん。繭を選定してから自動繰糸機の出番となる。この工程で重要となるのが糸の節とり。機械が止まったか所の糸を引っ張り出し節をとり、機械が再び動くようにする。節とりは1日に1人で700回以上行うという。視力の衰えを感じ引退が頭をよぎることが増えたという今村さん。そんな今村さんの技術を受け継ぎたいと今年4月仲間が加わった。22歳の真野さんは東京から移住し働いている。幼い頃から蚕が好きだといい、去年工場を見学し製糸業に興味をもつようになったという。今村さんから節とりを徹底的に学ぶ。2人で製糸業の未来を紡いでいく。真野さんは現在地域おこし協力隊としても活動。