中学生の全国一を決める全国中学校体育大会「全中大会」。現在は20の競技が行われている。しかし2027年度以降、水泳やハンドボールといった9つが取りやめられることになった。背景と新たな大会のあり方を模索する動きを取材。先月、長野県で行われた全中大会のスキー競技。トップレベルの選手が努力の成果を競い合う大舞台だが、2029年度の開催を最後に実施されなくなる予定。中学生にとって、全国一の座をかけた特別な大会。全中大会縮小の要因の1つが、運営に関わる教員の負担軽減。のべ1200人の選手が参加するスキー大会では、会場近辺の中学校などの教員、わずか5人で事務局を担っている。大会前、滑走順を決める抽せん会が行われた。記載に漏れや間違いがないか一つ一つ確認。その後は、ほかの教員の手も借りてビブスを仕分ける。さまざまな作業を、ふだんの学校業務を縫って行っている。全中スキー大会実行委員会・事務局長(中学校教員)・前澤健太さんは「大会期間だと、まるまる1週間、学校を開けることになる」と語った。長野・野沢温泉村の映像。出場選手のコメント。
大きな要因が少子化。中学生の数は、この30年で3割以上減少。中体連(日本中学校体育連盟)は、実施の取りやめについて、部を設置する中学校の割合が原則20%を下回っていることを基準とした。設置率が10%を切るハンドボール。都内の中学校に通う女子生徒。ハンドボールは7人でプレーするが、現在女子の部員は6人。単独でチームが組めなくなった。去年ほかの中学校からも参加する地域のクラブチームが設立された。実戦形式の練習が行えるようになり、大会に出られないという不安もなくなった。試合をしたいという子どもたちの思いを受け、日本ハンドボール協会は全中大会縮小をきっかけに改革に乗り出した。参考にした1つがバスケットボール。8年前から、各地でリーグ戦を実施。全中大会は、都道府県予選から負けたら終わりのトーナメント形式だが、このリーグ戦は総当たりで、試合経験を積むことがメイン。選手交代も積極的で、多くの選手が出場でき、生徒たちのやる気につながっている。ハンドボールでは、既存のクラブチーム対抗の大会に学校の部活動も参加できるようにし、全国一を競う形を残す一方、都道府県レベルの大会で、リーグ戦を導入する方針。日本ハンドボール協会指導普及本部・藤本元本部長は「次世代のためにいいものにする、ある意味チャンスなのかもしれない」と語った。東京・府中市の映像。参加選手のコメント。
部活動に詳しい早稲田大学スポーツ科学学術院・中澤篤史教授は「(全国中大会縮小は)中学校の大会のあり方、全体の見直しの重要なポイントになった。スポーツの文化的な楽しみの教授の仕方がもっと多様にあるはず。そうした可能性をぜひ考えてほしい」と語った。
大きな要因が少子化。中学生の数は、この30年で3割以上減少。中体連(日本中学校体育連盟)は、実施の取りやめについて、部を設置する中学校の割合が原則20%を下回っていることを基準とした。設置率が10%を切るハンドボール。都内の中学校に通う女子生徒。ハンドボールは7人でプレーするが、現在女子の部員は6人。単独でチームが組めなくなった。去年ほかの中学校からも参加する地域のクラブチームが設立された。実戦形式の練習が行えるようになり、大会に出られないという不安もなくなった。試合をしたいという子どもたちの思いを受け、日本ハンドボール協会は全中大会縮小をきっかけに改革に乗り出した。参考にした1つがバスケットボール。8年前から、各地でリーグ戦を実施。全中大会は、都道府県予選から負けたら終わりのトーナメント形式だが、このリーグ戦は総当たりで、試合経験を積むことがメイン。選手交代も積極的で、多くの選手が出場でき、生徒たちのやる気につながっている。ハンドボールでは、既存のクラブチーム対抗の大会に学校の部活動も参加できるようにし、全国一を競う形を残す一方、都道府県レベルの大会で、リーグ戦を導入する方針。日本ハンドボール協会指導普及本部・藤本元本部長は「次世代のためにいいものにする、ある意味チャンスなのかもしれない」と語った。東京・府中市の映像。参加選手のコメント。
部活動に詳しい早稲田大学スポーツ科学学術院・中澤篤史教授は「(全国中大会縮小は)中学校の大会のあり方、全体の見直しの重要なポイントになった。スポーツの文化的な楽しみの教授の仕方がもっと多様にあるはず。そうした可能性をぜひ考えてほしい」と語った。