宮城県・南三陸町で金藤克也さんが生産する羊肉はエサに南三陸産のわかめの茎を混ぜていて、食べられない部分として地元の漁師から貰っているという。研究機関の調査ではこのエサを食べた羊は肉のうまみ成分でもあるイノシン酸が通常の約6倍にまで増加していて、わかめの茎以外にも地元さんの米ぬかやのりなど5種類を混ぜている。羊たちが暮らしている畜舎は風通しが良いように手作りしていて、屋根も光だけが取れるようにした熱のこもらない作りとなっている。他にも成長具合によってエサの配合を変えたり、クラス場所を変えたりしてきめ細やかに育てている。金藤さんは元々神奈川で内装業を営んでいたが、東日本大震災でのボランティアの経験をきっかけに南三陸へと移住した。漁師の作業小屋を建設するなどサポートをしながら復興のためには長期的な雇用と産業を作ることが必要だと感じ、南三陸産の特産である栄養豊富なわかめを食べさせることで美味しい羊が育つのではないかと考えて羊肉の生産をスタートさせた。
