現在将棋界には竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖・叡王という8つのタイトルがある。「叡王」は2017年に昇格した新しいタイトルなのでかつて史上初の七冠を達成した羽生九段のときにはなかった。今回藤井七冠は勝利して王座となれば史上初の八冠すべて達成となる。ただその道程は尋常ではないくらいの試練の連続。まず2020年に最年少の17歳11ヶ月で棋聖を獲得、翌月に王位を獲得し二冠となった。そして翌年21年の9月には叡王を獲得し三冠に輝き、その年の11月に最高峰のタイトルである竜王を獲得し最年少四冠。そして去年2月に王将を獲得すると五冠。今年3月、棋王を獲得し六冠、6月には名人となり最年少かつ史上2人目の七冠になった。そしていままさに八冠をかけて王座戦を戦っている。この八冠達成はタイトルを獲得すればいいものではなく、すでに獲得したこれらのタイトルを守らなければいけない。藤井七冠は棋聖・王位を3回防衛している。叡王を2回、竜王を1回、王将を1回防衛してタイトルを7回獲得し、計10回防衛している。さらに羽生九段が七冠を獲得したのがプロデビューから10年1ヶ月という記録に対し藤井七冠が八冠となればデビューから7年で獲得ということになる。将棋ライターの松本博文さんによると羽生善治九段が当時存在した7つのタイトルをすべて制覇したのは1996年25歳。しかも期間はごく短いという奇跡的な偉業。藤井七冠はその羽生九段を上回るペースで勝ち続けてきた。そして羽生九段は2度防衛に失敗しているが藤井七冠はタイトルを一度も落としていない。恐るべき才能だと語っている、などと伝えた。